精子等の異常

男性因子による不妊は不妊カップルの3〜4割にもなるといわれています。
頻度高いんですね。
挙児希望で受診されて、女性ばかりが検査をすすめて、男性側が検査をなかなか行わないことが結構あります。男性側の検査はあまり多くないので、なるべく早い時期に検査を行うべきですね。

簡単に行えて、大切な検査は精液検査です。
不妊症の相談で女性が訪れた産婦人科でも検査をやっているところは多いですね。一般的な産婦人科では精液検査を数回行い、異常がある場合は泌尿器科を紹介して精密検査をお願いするといった感じです。

精子は精巣(睾丸=たま)で作られます。
精巣が高温にさらされると、精子の数が減ったりします。精巣が体の外にぶら下がって、袋にしわしわがあるのはすこしでも精巣を涼しくさせておくためなんですね。精巣はもともとは体の中にあるんですが、お母さんのおなかの中にいるときに睾丸が下がってきて陰嚢(玉袋)の中におさまります。停留睾丸という状態がありますが、これは体の外に睾丸がぶら下がってこない先天的な異常です。精巣が体内にあるために造精機能が低下するといわれています。

また、精索静脈瘤というものがあります。
陰嚢の中の静脈が拡張している状態でこの場合も造精機能が低下するともいわれています。一般男性でも1割くらいはこの状態があるともいわれ、必ず不妊になるというわけではないようです。これらの異常は泌尿器科の診察で発見されます。

そのほかおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)に伴う精巣炎や陰嚢のけが、ある種の薬剤で精子の量が減少します。また勃起不全や逆行性射精(膀胱内に射精してしまうもの)なども男性側の不妊原因となりえます。

一般的な精液検査では精液の色、精液の量、精子の濃さ、精子の運動している割合、精子の奇形率、精液中の白血球数などをチェックします。検査前に3〜4日ほどの禁欲期間をおいて、射精した精液が30分くらいして液化(ペとっとした状態からサラサラとした状態になること)した状態で検査します。

精液の色は乳白色で不透明、量は2ml以上、精液1ml中に精子の数が2000万個以上、半分以上の精子が元気に泳いでいて、奇形でない正常な精子が30%以上といった感じが正常です。
(正確にはきちんとした診断基準があります)

単純に数が少ないから妊娠しにくいというわけではないので解釈には注意が必要です。射精の前半と後半では精子の濃度が違うので全量が採取されていないとか、前回の射精から時間が経っていないなどがあると正常なのに異常が出る場合があります。精子は正常でもその数が少ない男性では、人工授精(精液を子宮内に直接注入する方法)により妊娠の可能性がでてきます。