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淋菌感染症

淋菌感染症とは

淋菌という細菌による感染症です。淋菌は高温や低温環境に弱く、増殖に炭酸ガスを必要とするため通常の環境では生存することができません。そのため、性行為感染症として人から人へ感染するのがほとんどです。(銭湯で感染したいり、便器から感染したりすることがほとんど無いということです)

男性、女性とも尿道に感染し淋菌性尿道炎を、女性では子宮頚管も感染しやすく淋菌性子宮頚管炎を起こします。重症化すると体の奥へ感染が広がり(これを上向性感染といいます)、男性では淋菌性精巣上体炎を、女性では淋菌性骨盤内炎症性疾患(PID)を発症します。

まれに全身に感染が広がり敗血症(血液の中にまで感染がひろがること)で死亡することもあります。また、女性の子宮頚管炎は産道感染から新生児結膜炎(目の感染)を引き起こし重症化すると目の角膜を溶かして失明する場合もあるようです。 これは、怖いです・・・。
性器のクラミジア感染症とならんで全世界的に感染者が多い性感染症で、一回の性行為による感染率は30%以上といわれ、すぐに感染してしまうという特徴があります。

男女の尿道炎や結膜炎はひどい症状となりますが、子宮頚管炎は無症状のことも多く厄介な特徴でもあります。性行動が多様化して、咽頭(のど)や直腸の感染も見られるようですが、いずれも症状が出にくいといわれています。 症状が出にくいというのは決して「病気が軽い」と言うわけではありません! 知らないうちに感染して、知らないうちに他の人へうつしてしまう可能性があるということです!

淋菌感染には抗生剤を使用しますが、抗生剤が全く効かない新種の淋菌も沢山発生してきています。これを「耐性菌」といい、これまでの抗生剤では歯が立ちません。(MRSAなども耐性菌ですね。)

以下では個別に解説します。

淋菌性子宮頚管炎

子宮頚管に感染がおこると分泌物(おりもの)が増えますがなかなか自覚症状として表れません。 この無症状という特徴があるので男性へうつり、それがまた他の女性へうつり・・・となるわけです。 上向性に感染が進むとPIDを発症しこの場合はおなかの急激な痛みが発生します(急性腹症)。
診断は頚管粘液の培養や核酸検出法(DNAプローベ法)や核酸増殖法(PCR法)で淋菌の検出をします。 尿道性の淋菌感染と比較して、頚管粘液には正常な細胞もたくさん含まれていて、血液や粘液が混入しやすく培養検査でもうまく培養されないこともあります。クラミジアの同時感染が非常に多いので、かならずクラミジア、淋菌の同時検査をやるべきと思います。

PID(骨盤内炎症性疾患)

女性に発生します。淋菌だけではなく一般細菌でもPIDは発生しますが、PIDの原因としてはクラミジアの方が多く、淋菌は頻度は少ない方です。PIDが発生すると卵管や腹膜に癒着が発生し、卵管因子による不妊となる可能性があります。

淋菌性咽頭炎

のど(咽頭)に感染すると咽頭炎といいます。オーラルセックスの増加により男女を問わず検出されます。性器淋菌感染症(頚管炎や尿道炎)の患者の30%以上!で咽頭にも淋菌が検出されるといわれています。 淋菌性咽頭炎は自覚症状が乏しいので、検査が行われないことも多いです。検査はのどの奥を綿棒でぬぐってそれを培養に提出して行います。検査の方法によっては偽陽性(感染していないのに淋菌の感染が陽性と判定されてしまうこと)もあるようで、男女間のトラブルに発展する可能性があるため解釈には注意も必要であるといわれています。

男性淋菌性尿道炎

感染してから2〜7日後に(潜伏期間)排尿痛、尿道分泌物などの尿道炎症状が発生します。分泌物は黄白色で膿のように汚くて量が非常に多いです。排尿した後も陰茎をしごいてみると分泌物が何度も排泄されます。

淋菌性精巣上体炎

尿道炎が悪化すると上向性に感染が進んで、精巣上体というところに広がります。片側からはじまり、もう片方にも感染が及んでいきます。ひどくなると無精子症など男性不妊の原因ともなりますので早期治療が大切なのはいうまでもありませんね。このような場合はクラミジアも同時に感染している可能性が高いのでクラミジアの検査も必要となります。クラミジアと淋菌に効く薬は違いますからね。

淋菌性結膜炎

新生児に発生しやすいです。お母さんが子宮頚管に淋菌を持っていると産道を赤ちゃんが通過してくる時に感染してしまうおそれがあります。一般的な病院では生まれた後に新生児に抗生剤の点眼薬をルーチンで行っているところも多いです。淋菌を疑っているわけではなく、一般細菌感染などの予防の意味もあります。
成人ではまれですが、発生すると大量の目やにと腫れが出てくるらしいです。ひどくなると潰瘍ができたり失明したりする例もあります。

淋菌感染症の治療

治療に際しては耐性菌が問題となっています。 以前使われていたペニシリン系、テトラサイクリン系、第3セフェム系などは、今では淋菌にとって強力な抗生剤ではありません。 中途半端な抗生剤の治療では淋菌をたたけない、治療が終わっていないということです! そのため、治療後はきちんと再検査をおこない治療効果を判定する必要があります。

欧米ではロセフィンという薬が第一選択薬です。もちろん日本でも使用できます。 ロセフィンは1gを静脈注射で単回投与で効果があります。 ただ、症状の強さによっては数日間投与する必要もあります。




 

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