クラミジア感染症

クラミジア感染症

クラミジアは細菌の一種で、尿道、子宮頚管、咽頭(のど)などに感染します。
性器に感染した場合を「性器クラミジア感染症」といいます。

性器クラミジア感染症ではクラミジアが性行為で感染し、男性では尿道炎と精巣上体炎を、女性では子宮頚管炎と骨盤内炎症性疾患を発症します。

急速に蔓延して、性行為感染症(STD)の中で最も多くなってきました。(淋菌などを抜いて) 以前は男性が多いといわれていましたが、産婦人科での調査が進んで、15歳〜30歳までは圧倒的に女性の感染者が多いことがわかってきました。

女性の場合は卵管に穴があいているので、クラミジアが簡単に卵管を通っておなかの中に広がり、炎症が無症状のままで進行し卵管因子による不妊症の原因の一つになってきます。 また、妊婦さんのクラミジア感染症は子宮内へ広がり、破水や流早産を引き起こし、分娩のときに感染があると生まれてきた赤ちゃんの目や肺に感染して結膜炎や肺炎を起こすことがあります。 男性にくらべて、女性の感染は合併症も多く、複雑なんです・・・。

 

男性尿道炎

感染後1〜3週間で症状がでるとされますが、はっきりとした症状がないことも多く、いつ感染したかわからないこともあります。 淋菌による尿道炎などと比べると症状が軽いことが多いようです。 完全に無症状の場合もあり、20歳代男性のスクリーニング検査では5%くらい見つかるという報告もあります。 尿検査で診断されます。

咽頭感染

オーラルセックスなどで咽頭(口の中で、のどのあたり)に感染します。
女性の性器にクラミジアが検出されたときは無症状でも10〜20%は咽頭からもクラミジアが検出されるようです。 一般的な性器クラミジア感染と比べてなかなか治りにくく治療に時間がかかるとも言われています。

子宮頚管炎

最も重要なのが女性の子宮頚部に感染する場合です。
クラミジアが子宮頚部に感染した場合を、クラミジア性子宮頚管炎といいます。
一般的には感染後1〜3週間で発症します。

クラミジアは子宮頚管から子宮、卵管をへて腹腔内(おなかの中)に進入し子宮付属器炎や骨盤腹膜炎もおこします。 これらを骨盤内炎症性疾患(PID ピーアイーディー)と呼んでいます。 重症だと上腹部(肝臓や横隔膜のそば)まで広がり、「クラミジア性の肝周囲炎」(Fitz-Hugh Curtis症候群)を発症します。

腹腔内にたくさんのクラミジアが進入した場合は、激痛が起こり、救急車で運ばれて入院となることもあります。最近とても増えてますね。
(PIDの原因はもちろんクラミジアだけではなく、一般的な雑菌によるものもありますよ。)

子宮頚管炎だけは比較的短期間で治まりますが、未治療で長期間放置されると、卵管炎がいつまでも続いて卵管の機能が低下して受精卵を子宮に運べなかったり、卵管采周囲に癒着が形成され卵管因子による不妊症となったりします。 せっかく受精しても卵管内で移動が停止してそこで着床してしまうと「子宮外妊娠」という結果になります。

子宮頚管炎の一般的な症状としては帯下の増量感(おりものが増えた)があります。 クラミジアによるものだと、不正性器出血、腹痛、性交時痛、内診痛などがでることがあります。 ただ、クラミジア感染者の半数くらいが全く症状がないともいわれていて、知らぬ間に卵管などの癒着が進行していることも多いようです・・・。

検査方法は女性の場合は一般的には子宮頚管の分泌物を採取して、クラミジアの抗原を探します。
最近では自己検査キットが販売されていますね。
また、尿検査もできるようになってきているようです。

子宮頚管炎の状態はそう長くはなく、子宮頚管にクラミジアがいなくなっても、腹腔内では増殖しているということはあり得ますので、血液検査でクラミジアの抗体の測定も大切ですね。

治療は一般的な抗生剤(ペニシリン系など)ではだめで、専用の薬が必要となります。 クラミジアの治療はこれまでは最低7日間(クラビットであれば500mgを1日1回内服を7日間)は飲み薬を続ける必要がありました。 しかし、平成16年から「ジスロマック」という薬が日本でも使えるようになりました。 「ジスロマック」(アジスロマイシン)はクラミジアに対する革命的な薬ともいわれ、1日1000mg(一日4錠)の一回内服だけで治療を行うことができます。
たった一回の内服です!

注意点としては一回だけのんですぐに治るのではなく、治癒するまでは7日くらいかかるので、その間はコンドームの着用などをしてパートナーへの感染を防ぐ必要があります。 また、パートナーも同時に治療を行うの原則です。

注意点

クラミジア感染症では、全く症状がない感染(無症候性感染)が多いことが問題となります。 症状が出やすい感染症だと、いつ感染したか、誰から感染したかがわかりやすいのですが、無症候性感染だと「いったいいつ感染したの?」とトラブルになることもしばしばあります。 今のパートナーではなく、前のパートナーからいつの間にかもらっていたという可能性もあるんです。

クラミジアの検査項目は複数あり、「以前にかかってその名残だけなのか」「現在クラミジアが存在しているのか」など、その解釈には注意が必要です。 検査結果は必ず主治医に確認し、説明を受けた方が良いですね。