梅毒|1/2

ハートの図梅毒 1/2

ハートの図梅毒とは

梅毒はスピロヘータという微生物の一種で、トレポレーマパリズム(Treponema pallidum以下TPと略します。)によって引き起こされる感染症です。 スピロヘータはベビースターラーメンのような形(らせん状)の細菌の一種です。

皮膚や粘膜の小さな傷からTPが侵入し、血液の流れに沿って全身に広がってしまいます。 一般的には性行為で感染するいわゆる性感染症ですが、妊娠中や出産時に母子感染を起こすと胎児は先天梅毒となります。 様々な症状が現れず梅毒の検査だけが陽性となる「無症候梅毒」という状態もあります。

梅毒は昔の病気であると思われていますが、コンドームの使用率の低下などから、実は最近増加傾向なんです。 梅毒は感染症法で5類感染症に分類されているので診断した医師は診断後7日以内に都道府県知事に届け出る必要があります。 上記の無症状だけど抗体検査で陽性(STS法で16倍以上)の場合も医師は届け出ないといけません。

ハートの図梅毒の症状と進行期

梅毒は感染後の時間経過によって以下の4期に分けることができます。

第1期梅毒

TP感染後3週間ほどでTPが侵入した部分に小豆大の小さくて硬いイボのようなものが生じます(初期硬結)。その後この初期硬結の周囲に炎症が広がり中心に凹み(潰瘍)を形成して硬性下疳となります。 男性ではペニスの先の方、女性では大陰唇や小陰唇周囲に発生します。 その後やや遅れて両側のそけい部(足の付け根ですね)のリンパ節が痛みを伴わずに腫れてきます。 この頃に特に治療をしなくても3週間ほどでこのような初期症状は自然と消失してしまいます。しかし、体内ではTPがどんどん増えて3ヶ月後には第2期梅毒へと進んでしまいます。

第2期梅毒

TPが血液の流れに乗って全身に広がり皮膚や粘膜に発疹が出てくる時期です。 この時期の症状は非常に多彩です。 丘疹性梅毒疹、梅毒性乾癬、梅毒性バラ疹、扁平コンジローマ、梅毒性アンギーナ、梅毒性脱毛などです。 第2期は3ヶ月から3年ほどに渡りこのような多彩な症状が出現します。 その後自然と症状がなくなり無症候梅毒となりますが、再発を繰り返し以下の第3期や第4期となる場合も有ります。

第3期梅毒 第4期梅毒

現在ではほとんど見られません。 第4期になると梅毒による大動脈炎や脳症状などもあります。

ハートの図無症候梅毒

臨床的な症状はありませんが、血液検査で梅毒陽性となる状態を言います。
最初に感染してまったく症状を呈さない場合や第1期から第2期への移行期、陳旧性梅毒(これはすでに治療が完了しているが血液検査だけ反応が残っている場合)などがあります。陳旧性梅毒は治療が完了した後の状態なので当然治療の必要はありませんし、他人に感染させることもありません。

ハートの図陳旧性梅毒

梅毒は感染後長時間経過すると菌が死滅して感染力がなくなることもあります。 感染後すくなくとも4年以上が経過し、もしくははっきりとした梅毒治療歴があり、STS法定量法で8倍以下でかつTPHAなどが陽性の場合を陳旧性梅毒とよびます。 陳旧性梅毒は感染力がないため治療対象とはなりません。