赤ちゃんに対するリスク

胎児に対するリスク

マイナートラブルは呼吸器系に多い

胎児が産道を通過することなく、誕生することができるので、帝切は胎児にとっては楽な出生方法となります。しかし、時間をかけて産道を通過していくこと自体が後の母体外生活の準備時間であるともいわれています。事実、胎児にリスク要因のない、正期産の予定の帝切の時でも新生児の出生後のマイナートラブルは比較的よく見かけます。特に多いのが呼吸器系のマイナートラブルですね。

肺液の吸収不全

おなかの中の胎児は羊水の中に使っていますが、それと同時に肺の中にも羊水が肺液として満たされています。肺液は肺でいつも作られていて肺からあふれてまわりの羊水となったり、それを飲み込んで消化管へも流れてゆきます。陣痛がはじまると胎児の肺液の産生が抑制されて分娩が進行するにつれて肺液が血管などに吸収されてゆきます。陣痛によって刺激された胎児の中のカテコールアミンなどが肺液の吸収に重要だといわれています。帝切ではこの過程が省略されるので出生後に肺液の吸収が遅れて、呼吸不全を起こしやすくなるわけです。(水に溺れた状態です。)とはいっても一般的に数日中には肺液は肺の中に吸収されるので、注意深い経過観察で落ち着くことが多いです。

呼吸器系の未熟さ

一般的には反復帝切の場合の予定帝切は陣痛がはじまる前の37週〜38週あたりで行われます。妊娠週数は1週間くらい真の週数からずれていることもあり、週数が早すぎると胎児によっては呼吸機能がまだ完全に成熟していない場合もあります。そうなると出生後の呼吸障害の頻度も多くなってきます。

麻酔薬の影響

硬膜外麻酔や脊椎麻酔だと薬剤の直接移行は心配する必要ありませんが、麻酔の際に仰臥位低血圧症候群が発生し、高度低血圧が長時間続くと胎児に酸素が到達しにくくなり苦しくなるおそれがあります。また全身麻酔の際に使用される吸入麻酔薬などは直接胎児に薬剤が移行するので麻酔時間が長くなると胎児が眠ったまま出生ししばらく起きてくれないこともあります(sleeping baby)。この場合しばらく呼吸管理を行いつつ待っているとお目覚めになりますが・・・。





スポンサーリンク