帝王切開術の具体的な方法|3/3

帝王切開術の具体的な方法 3/3

子宮筋層の縫合

子宮筋層は縫うことで止血されるので急いで子宮筋層を縫ってゆきます。
このときは抜糸の必要がない自然吸収される糸を使って縫っていくのが一般的です(吸収されるとっても数ヶ月がかかります)。70センチくらいのながーい糸で連続縫合で縫っていきます。私たちは筋層は1層縫合した後、もう一層縫合して(2層縫合)いますが、一層縫合でも術後の効果は変わらないという報告も多く、最近では欧米では1層縫合が多いようです。

子宮切開創からの出血が確実に止まっていることを確認して、おなかの中のチェック(子宮や卵巣や卵管に異常がないかどうかなど)し、ガーゼや手術道具の数がちゃんと合っているかどうかを確認しておなかを閉じます。

「なぜおなかの中にハサミなどを残す可能性があるの?」と思われる方も多いですね。
帝切はとくに急いでやる手術なので沢山の器具をじゃんじゃん出して、使っていきます。赤ちゃんや大量の出血に気をとられて小さなハサミやピンセットがおなかの中に紛れ込むなんてことが無いとは言えないのです。だからまずは入り込まないように注意することと、おなかを締める前に元々あったガーゼや機材の数をちゃんと確認する必要があるわけです(ガーゼは何十枚も使用しますが、しっかりとカウントされます)。ガーゼにはエックス線に反応する細い線維が入っており、術後にルーチンでエックス線撮影を行うところも多いです。ガーゼなどの遺残があれば細い線維がくっきりと記録されます。

子宮や腹壁の縫合の図"width="600"

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腹壁縫合

いよいよ終わりです。
腹壁を切った逆の順番で閉じてゆきます。基本的には腹膜、筋膜、皮下脂肪、皮膚の4層をしっかりと縫合してゆきます。使用する糸や皮膚の縫合の仕方は非常にバリエーションがあります。皮膚の表面は医療用のホチキスのみだったり、ナイロン糸も併用したり色々です。一番内側の腹膜は縫合しない場合もあります。 腹壁の縫合が終わり、内診の要領で膣の中の悪露の量を確認して、ひどい出血が無ければ終了です。

腹壁縫合の図"width="600"

最終的に上図のように沢山の縫合を行っています。子宮筋層は2層、子宮表面の膜を縫うと子宮だけで3層の縫合をしています。また皮膚は皮下組織や筋膜があるので全部で3層から4層で縫合します。手術時間を30分とすると赤ちゃんが出るまで3分ほど、その後のほとんどの時間が縫合の時間となります。





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