母体血清マーカー

母体血清マーカー

母体血清マーカーとは

母体血清マーカーはお母さんの血液の中の赤ちゃん、もしくは胎盤由来のホルモンやタンパク質を測定して、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、開放性神経管奇形の確率を計算するものです。非侵襲的で非確定的な検査です。

1977年ころ母体血清中(血清とは血液成分で白血球などの血球成分以外の水分成分のことです)α-fetprotein(AFP)が無脳児や開放型の二分脊椎で異常高値となることが報告されてから出生前診断に使用されるようになってきました。その後hCGやエストリオールもスクリーニングに有用と分かり複数のマーカー(異常の指標となる検査項目)を組み合わせてより高精度でダウン症などの確率を算出できるようになってきました。

注意すべきことはすべての染色体異常を計算できるのではなく21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形が対象となることです。

血清マーカーの種類と解釈

現在使用されている血清マーカーはAFP、uE3、hCG、Inhibin A、PAPP-A、βhCGなどです。
妊娠15週から17週で母体の採血をしてその血清中の濃度を測定します。
母体の採血だけなので母体へのリスクは少ないですし、胎児へのリスクはないと言えます。

これらの血清中の濃度を測定し、測定値が平均的な値からどのくらい離れているか計算し、母体年齢のダウン症などの染色体異常の確率と比較して評価をします。

妊娠15週以降の検査として「トリプルマーカー」(AFP、uE3、hCGの三項目)検査、その三項目にさらにInhibin Aを追加した「クアトロテスト」などがあります。
クアトロテストでのダウン症の検出率は81%くらいです。

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検査結果は「確率」で表現されます。
例えば35歳の妊婦さん場合「年齢から予想されるダウン症の頻度は1/250くらいの確率ですが、あなたの場合は1/1000くらいの確率です」という風に結果が帰ってきます。これを見て確率が高いか低いかを判断する訳ですね。

当然確率を出しているだけなので確率が低くてもダウン症の可能性はありますし、確率が高くてもダウン症ではない可能性もあります。
この確率を見て、専門の遺伝外来などで、医師とよく話し合い、確定的診断である羊水検査を行うかどうかを決定することになります。

海外での現状

アメリカなどでは妊娠初期と妊娠中期にNT測定と母体血清マーカーを組み合わせてダウン症の検出率を高めています。
10週〜13週ころにNT測定とPAPP-A測定、さらに15週〜16週にクアトロテストといった感じです。
このような検査項目の組み合わせでダウン症の検出率が95%ほどになります。そうすることで侵襲的な羊水検査や絨毛検査を減らすことができるようになります。

しかしながら、最近では確定診断ではないけれども、99%以上の精度でダウン症の検出ができる、母体血中の胎児DNAを用いた「母体血胎児染色体検査」が急速に広まり、今後血清マーカーを用いた検査は減っていくと思われます。





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