血液型不適合妊娠|1/3

血液型不適合妊娠 1/3

血液型不適合妊娠とは妊婦さん自身に存在しない血液型の抗原がおなかの赤ちゃんに存在してしまうことです。
ここでは、臨床的に問題となる、Rh式血液型不適合妊娠(特にD型不適合)について解説します。

血液型と抗体の関係

血液型はA型やB型以外にも30種類以上あると言われています。 しかし、輸血や妊娠時に問題となるのはそのうちのいくつかに限られます。

赤血球の表面には様々な抗原という突起のようなものが存在して自己、他者を区別しています。 赤血球の表面にA型の抗原を持っていると「血液型A型」となります。B型の抗原を持つと「B型」となります。 O型の方は赤血球の表面にO型という抗原を持っているのでなく、A型とB型の抗原が両方存在していません。

血液は赤血球だけで出来ているのではありません。
赤血球のような細胞成分はその他白血球、血小板などがあります。 血液中の液体成分(これを血漿といいます)には様々な物質がとけ込んでいます。 食事後に消化させ血中にとけ込んだ糖分や脂肪分などですね。 その他、抗体という大切なものも含まれます。

人間には自分と他人を区別する標識が様々な細胞の表面に存在します。 外界から色々な物質や細菌やウイルスなどが侵入してきたときにはこの抗原を目印に自他を判断し他者であれば抗体というものを作成し異物を破壊したり、次の侵入に備えて記憶したりしています。

「赤ちゃんの血液型」でも書きましたが、A型の方はB型の血液型に対する抗体(抗B抗体)が血漿中に存在します。ABO式血液型の抗体を「規則抗体」といいます。 B型の血液に接触したわけでもないのにいつの間にか(自然に)このような抗体ができてしまうようです。そのためこれを自然抗体ともいいます。

この規則抗体が存在するためA型の人にB型の血液を輸血すると、A型の人の血漿中に存在する抗B抗体が輸血されたB型の赤血球を攻撃し破壊して、輸血の意味がなくなってしまいます。 話がそれてしまいましたが、自分の赤血球の表面に存在しない抗原を持っている赤血球と接触する機会があると抗体を作り出し、その抗体が次に侵入した他者の血液を破壊してしまうという仕組みが人間にはあるという点を覚えておいてくださいね。

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不規則抗体とは何でしょう

ABO式血液型に関係する抗体を規則抗体と言いました。
ABO式血液型以外にも沢山の血液型が存在していますが、その多くはまれで通常は問題となりません。 それら、まれな血液型に対する抗体を「不規則抗体」といいます。 その中でも特に重要なのがRh式血液型とそれに伴う不規則抗体です。

Rh式血液型について

血液型の分類の一つでRh式血液型というものがあります。
アカゲザルという猿の赤血球にある抗原が人間にも存在していることが1940年ころ発見されました。 その抗原をアカゲザルの名称であるRhesus Monkeyの頭文字をとってRh式血液型と名付けられました。 ちなみにRhesusは「ルーサス」と読みます。

このタイプの抗原はC抗原、c抗原、D抗原、E抗原、e抗原の5種類があります。 しかし、一般にRh式血液型は「プラス」もしくは「マイナス」と表現されます(陽性や陰性の場合もあります)。 あれ、5種類の抗原があるのでは?何がプラスでなにがマイナスなの?となりますね。 このプラスやマイナスはRh式血液型で特に抗原性が強いD抗原がプラスかマイナスかを表現しています。 C抗原があれば「C抗原プラス」となるはずですが、D抗原以外は抗原性が低くプラスでもマイナスでも人間にほとんど影響を与えないから無視されている訳ですね。

Rh陰性血液型の解説の図
上の図では便宜上、D抗原のみを強調しています。

Rh式血液型は人種間でその頻度に差があります。
日本人のほとんどはRh(+)です。Rh(-)は日本人の1000人に5人ほどしかいません(0.5%)。 日本では比較的珍しいので血液型不適合妊娠も小さなクリニックでは年間1人から2人くらいだと思います。 しかし、アメリカ人では15%ほどがRh(-)なので血液型不適合の頻度も当然高くなります。





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