喘息と妊娠

妊娠と喘息

喘息とは

喘息とは呼吸の際に空気が通過する気管支という部分が狭くなり息苦しくなる病気ですね。 気管支が狭くなることで呼吸困難が起こったり、咳や痰などが出やすくなります。 原因は様々なアレルギーの原因となる物質、細菌やウイルスなどです。気温の変化や風邪が原因となることもあります。

気管支が狭くなるので、咳や呼吸の時に「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」などの喘鳴が聞かれます。 ひどくなると酸素がちゃんと取り込めないので息苦しくなり、最重症では死に至ることもあります。

喘息はごくありふれた病気で、妊娠に合併することもよくあります(全妊婦さんの5%くらい)。 妊婦さんは赤ちゃんの分も呼吸をしていることになるので、母体が苦しいと赤ちゃんも苦しんでいることになります。そのため妊婦さんにおいて喘息の管理、治療はとても重要なんです。

喘息と妊娠

妊娠前から喘息の治療をしている方が妊娠した場合、喘息が軽くなる、重くなる、変わらないが大体同じくらいの頻度であると言われています。 妊娠すると免疫力の変化から喘息の発作がより重症化しやすくなると言われます。 喘息が重症化しやすくなるのは妊娠の中期ころで、不思議と分娩周辺に重症化する例は少ないですね。

喘息がひどくなると、母体が酸素をうまく取り込めなくなり、結果的に赤ちゃんが取り込む酸素が減ることになります。 コントロールがうまくできていない喘息合併妊婦さんでは赤ちゃんの奇形も増加すると言われています。 特に赤ちゃんの体が形成される妊娠初期の喘息コントロールが重要となります。

喘息治療をしている方が妊娠すると自己判断で喘息治療薬を中止することがありますが、これが一番いけないことです。喘息治療中の患者さんの半分は妊娠判明後、喘息治療薬を自己中止しているというデータもあります。 喘息の治療薬で赤ちゃんの奇形率を増加させると報告されているものはありませんので、妊娠中もぜひ治療は継続してくださいね

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喘息の治療

喘息の治療薬には普段から使用し発作が起きないようにする役目である「コントローラー(長期管理薬)」と発作が起こった時に症状を和らげる「リリーバー(発作治療薬)」があります。

コントローラーとして吸入ステロイド薬と長時間作用型の気管支拡張薬があります。
ステロイド薬には炎症を抑える働きがあります。
吸い込むタイプのステロイド薬である吸入ステロイド薬は喘息コントロールのメイン薬剤です。 すぐに効果が出るお薬ではないので毎日規則正しく吸入しましょう。

パルミコート、キュバール、フルタイド、アドエア、オルベスコ、シムビコートなどがあります。 アドエアやシムビコートは吸入ステロイドと長時間作用型の気管支拡張薬が配合されています。 吸入ステロイド薬はのどのあたりだけに効果が有る薬剤なので全身的な副作用がほとんどありません。 妊婦さんも安心して使用できると言われています。

コントローラーのもう一つは長時間効果が持続する気管支拡張薬です。 ステロイドで炎症を抑えて、気管支拡張薬で気管支を広げて空気を通りやすくするわけですね。 吸入薬としてセレベントや1日1回テープを張り替えるホクナリンテープなどがあります。

喘息発作の時は即効性の気管支拡張薬を使用します。(リリーバー) メプチンエアーやサルタノールインヘラーが代表的な短時間作用型の気管支拡張薬剤です。 発作中は20分~1時間ごとに吸入を繰り返します。 吸入薬で改善しない重症の発作の場合はステロイド薬の点滴投与が行われます。

咳喘息とは

最近よく診断されるようになってきた、咳喘息というものがあります。
咳喘息はゼイゼイやヒューヒューなどの喉が鳴る「喘鳴」や呼吸困難がなく呼吸機能検査でも異常がありませんが、「コンコン」と空咳が続く状態です。 喘息の軽いタイプとも言われています。

一般的な咳止めだけではなかなか治らなくて、気管支を広げてあげるお薬で症状が改善するのことでも診断がつきます(診断的治療)。 咳喘息はほったらかしにしておくと本当の喘息に変化することもあるため、風邪の後などで咳がいつまでも続くときは呼吸器科を受診して診断を確定しておく必要がありますね。

アスピリン喘息

アスピリン喘息とはアスピリンという解熱剤を内服することで誘発される喘息のことです。 重要なことは薬剤誘発性の喘息は決してアスピリンだけではなくその他の解熱剤、頭痛薬、鎮痛剤、風邪薬、坐薬(NSAIDS)などでも起こり得るということです。

アスピリン喘息の経験がある方は薬剤だけではなくキウイ、ブドウ、イチゴなどの果物でも発作が起こることがあるので注意が必要ですね。



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