卵管の異常

卵管は子宮と卵巣の架け橋のような存在です。
精子と受精卵がその中を移動する通路です。精子は自分で泳いで卵子を目指しますが、受精卵は自分で動けないので卵管の内部にある細胞が受精卵を子宮の方へよいしょよいしょと運んでくれます(繊毛の働き)。

見かけは5mmくらいの太さがありますが、内部は細いところで1mm位しかありません。どうしてもう少し太くないのと思うくらい細いです。卵巣側は卵管采といって、らっぱのように(手を広げたようにとも表現できます)開いています。卵管采は正常ではフリー(どこにもくっついておらず)で卵巣からは少し離れています。

卵管采は排卵した卵子をpick up(捕捉)といって取り込む働きがあります。排卵すると離れていた卵管采がじわっと卵巣に近づいていってイソギンチャクがえさを取り込むように卵子を卵管内に取り込むらしいです。


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とても重要な精子や受精卵の通り道である卵管に異常があると卵管性の不妊症となります。
卵管の閉塞(詰まること)や癒着で卵管の機能が低下する原因として細菌感染による炎症(クラミジアをはじめとする骨盤腹膜炎、虫垂炎の波及など)、子宮内膜症による癒着などがあげられます。

膣から進入した細菌が子宮を通過し卵管に到達し、卵管内で炎症が起きると、開いているはずの卵管采が閉じると精子と卵子が出会うことができなくなります。また、卵管内の繊毛細胞がダメージを受けて受精卵を子宮まで運べなかったりすると子宮外妊娠の原因にもなります。

細菌が卵管采からおなかの中にまで広がると卵管、卵巣、下腹部など広い範囲で炎症性の癒着が発生します。炎症がactiveな状態では抗生剤で治療することができますが、未治療や治療が遅れた場合は感染後の癒着が完成している可能性があります。こうなると卵管の疎通性は正常でも(卵管造影検査で正常といわれても)、蠕動などの卵管機能が低下して不妊症の原因となります。

子宮内膜症も重要な疾患です。
子宮内膜症はおなかの中に広範囲にとても硬い癒着を形成する病気で、原因不明の不妊の患者さんに腹腔鏡の検査をするとかなりの高頻度で内膜症が見つかります。

また、卵管の子宮外妊娠(卵管妊娠)の治療を左右共に行った場合は卵管が無くなりますので、完全な卵管性不妊となります。

卵管性不妊と原因が確定すれば、体外受精などで妊娠をすることが可能となります。



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