タキソール、パラプラチン療法共通の副作用

タキソール、パラプラチン(TC)療法共通の副作用

まずはタキソール、パラプラチンに共通する副作用を解説します。
以下のようなものがあります。
それぞれについて個別に説明します。

・白血球減少と感染症
・貧血
・悪心、嘔吐症
・下痢
・肝機能障害
・脱毛

白血球減少と感染症

血液中に含まれる白血球の寿命は約10日前後です。
白血球は血液中の兵隊さんのような役目で、感染症などから体を守ってくれています。

活発に増殖を繰り返している白血球は抗癌剤により増殖が抑制されると、その数は急激に低下してゆきます。 抗癌剤の種類や量、抗癌剤投与の回数により違ってきますが、抗癌剤投与から約2週間くらいを底に低下します。 その後1〜2週間かけて白血球数は元に戻ります。

TC療法は大体3〜4週間毎に繰り返されますが、これは白血球数が一度低下して、増加するのを待つ期間と考えても良いですね。

白血球数は一般的には血液1マイクロリットルあたり4000〜8000個くらい存在します。
その数が1000個/マイクロリットル以下になると重症感染症にかかりやすくなります。
さらに500個/マイクロリットル以下になると非常に危険な状態となります。

一回目の抗癌剤投与でいきなりここまで白血球数が低下することはあまりありませんが、抗癌剤投与の回数が増えてくると白血球の低下のスピードも速く、重症となってきます。 白血球は骨髄という骨の中心部分で作られていますので、抗癌剤による骨髄機能低下を「骨髄抑制」といいます。

白血球数が低下すると感染症にかかりやすくなるため、白血球数が上昇して安心な数まで回復するまでは次の抗癌剤投与を行うことができません。

以前は自然と白血球数が上昇してくるのを待つ必要がありましたが、骨髄での白血球の産生を賦活化させる「G-CSF製剤」という薬剤が発明され、速やかに白血球数を改善させることができるようになりました。 この薬剤の貢献は凄いものがあり、これまで白血球数低下のため抗癌剤投与を断念せざるを得ない方も抗癌剤治療を続けることができるようになりました。

スポンサーリンク

貧血

赤血球は体中に酸素を供給する働きがあり、その数が低下すると貧血という症状を引き起こします。

白血球と同じく赤血球も骨髄で産生されますので骨髄抑制で赤血球の産生も抑制されます。

しかし、赤血球の寿命は約120日ととても長いので抗癌剤投与ですぐに貧血の症状は出ません。 抗癌剤投与が長期化すると(数ヶ月)、じわじわと貧血となることはあります。

悪心、嘔吐症

抗癌剤のほとんどのものが大なり小なり、悪心や嘔吐の症状があります。

シスプラチンは特にこの副作用が強いものです。
TC療法で使用される、タキソールやパラプラチンは比較的軽症ですが、症状の出現は個人差も大きいです。

症状は抗癌剤直後がもっとも強く、徐々に改善してゆきます。 この副作用のために食欲低下が発生することもあります。

副作用対策として、強力な制吐剤としてグラニセトロン(商品名:カイトリル)やオンダンセトロン(商品名:ゾフラン)が使用されます。 非常に効果のあるこれらの薬剤の開発で悪心、嘔吐の症状はかなり改善されてきました。



スポンサーリンク

下痢

抗癌剤による腸粘膜細胞の障害で下痢の症状を引き起こします。 生命を脅かすほどひどい下痢の副作用がある抗癌剤も存在しますが、TC療法で使用する薬剤では重症化することは珍しい方です。

下痢がひどいときは止痢剤などを投与します。

肝機能障害

多くの薬剤が肝臓で代謝されますので、抗癌剤投与が長期化すると肝機能の低下も引き起こします。 肝庇護剤の投与が行われます。

脱毛

毛髪も毎日活発に増殖を繰り返し、髪を伸ばしていますので抗癌剤により抑制されると脱毛が生じます。
脱毛は多くの抗癌剤に共通の副作用です。

女性にとってとくに辛い副作用でもあります。
初回治療でいきなり全て抜け落ちることは珍しく、数ヶ月はかかります。

一度はほとんど抜け落ちても、治療後はほとんどの方でまた髪が生えてきます。 その方の伸びるスピードで生えてきますので、もともと髪が長かった方は生えそろうまでは時間がかかります。

抗癌剤の作用機序から脱毛の副作用を完全に予防することはできませんが、頭部冷却や発毛剤が使用されることがあります。






スポンサーリンク