高プロラクチン血症

プロラクチンというホルモンがあります。脳下垂体から分泌されるホルモンで、主に乳腺の働き(母乳を出す働き)に関係します。高プロラクチン血症は血液の中のプロラクチンの数値が基準より高くなることです。血液検査で調べることができます。

プロラクチンの正常値

プロラクチンの正常値は測定する検査方法により若干の違いがあります。

# 検査法 正常値 (ng/ml)
1 EIA法 2.7-28.8
2 IRMA法 1.4-14.6
3 CLIA法 4.3-32.4

高プロラクチン血症の症状

このプロラクチンが通常よりも高い状態になると、排卵が抑制されたり、無月経となったりします。
また、妊娠していなくても少量の母乳が出てくることもあります。
排卵障害は不妊症の原因となります。
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高プロラクチン血症の原因

脳下垂体の腫瘍(できもの)があります。プロラクチンの数値が非常に高値だと、画像診断で発見することができますが、画像でとらえられないような非常に小さな腫瘍(microadenoma)ができて、プロラクチンの数値がすこしだけ高くなることもあります。

また機能性の高プロラクチン血症といって、腫瘍などがなくても軽度数値が上昇することもあります。

その他にも、精神科的なお薬、胃潰瘍のお薬が原因で高プロラクチン血症となることもあるので、その診断には問診が大切になります。
これはよくあることなんですが、患者さん本人がどんな薬を飲んでいるかよく理解していないこともあります。その際は処方した医師や医療機関へ薬剤の内容を問い合わせる必要があります。

原因となり得る薬剤
ウインタミン、コントミン、セレネース、イミドール、ドグマチール、プリンペラン、プロメチンなどのドーパミンという脳内ホルモンの作用を抑えてしまう薬剤。
シメチジン、メトクロプラミド、スルピリド(商品名;ドグマチール、アビリッド、ミラドール、ベタマック、クールスパン、ビリカップル)などの抗潰瘍薬。
下垂体への直接作用のある薬剤としてエストロゲン製剤や経口避妊薬もあり得ますね。

高プロラクチン血症の治療

数値が非常に高く(200ng/ml以上)、脳下垂体の腫瘍が明らかな場合は脳外科的な手術が必要となります。

小さな脳下垂体腫瘍(マイクロアデノーマ)の場合はお薬の治療が行われる場合もありますが、この場合は1年ほどは内服を続ける必要があります。

プロラクチンの数値が軽度上昇の場合はテルロン、パーロデル、カバサールなどのお薬を使って、プロラクチンの数値を減少させることができます。

# 薬剤 1日量
1 カバサール0.25mg 1〜3錠/分1
2 テルロン0.5mg 1〜2錠/分1〜2
3 パーロデル2.5mg 1〜3錠/分1〜3
「カバサール」は体の中で長時間効果があるの1週間に1回の内服からスタート、症状を見ながらお薬の量を調節します。
「パーロデル」は嘔気や嘔吐などの副作用が出やすいため寝る前に飲むと症状がやや緩和されますね。
「テルロン」はパーロデルよりも副作用は軽くて飲みやすくなります。
これらのお薬は分娩後に理由があってどうしても母乳を止めたい時に内服するお薬でもあります。(カバサールはこれまでの薬剤よりも内服する回数が非常に少なくて、とても便利です)

高プロラクチン血症が原因の無排卵などは数字が低下すると、排卵が再開されます。

一般的には妊娠が分かったときには薬剤は中止します。

追加;潜在性高プロラクチン血症というのがあります。日中のプロラクチンの値は正常でも夜間に高値となり、排卵障害や黄体機能不全などの原因となることがあります。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を注射してその反応が過敏であれば診断することができます。



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