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<産婦人科の基礎知識/不妊症や妊娠のお勉強

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ホルモン検査

沢山のホルモンが関与して、排卵し、妊娠が成立しています。
不妊症の原因を検索する際に各種ホルモンを検査することはとても重要になります。 ここでは、妊娠に関連するホルモンのことについて解説します。 ホルモンという物質の基本的なことを最初にどうぞ・・・。

ホルモンとは?

体を調節する仕組み

体の中にはいろいろな働きをする細胞が存在します。
食べたものを吸収する細胞、筋肉として収縮する細胞、汗を出す細胞、卵子のもとになる細胞・・・・。 それぞれの細胞が勝手に仕事をしたら体の働きはぐちゃぐちゃになってしまいます。 毎日普通に生活ができるのはそれぞれの細胞もしくは細胞が集まってできた臓器がうまい具合に”調節”されているからなんですね。 命令を出す細胞から命令が出されて、命令を受ける細胞まで伝達される仕組みが必要です。

たとえば、気温が上昇すると汗が出てきますね。
気温が上昇したことを感知する細胞が皮膚にあり、それが中枢の脳に伝わり、汗を出す細胞に命令がでて汗が出ます。 汗が出ることで気化熱により皮膚温が低下します。
これが”調節”です。

神経とホルモン

離れた場所にあるものを調節するためには伝達手段が必要です。
この伝達を担っているのが「神経」と「ホルモン」なんです。 神経は「電線」のようなイメージで命令を伝えます。 一方、ホルモンは「手紙」のようなイメージで命令を伝えます。 何かが作られて、細胞から放出されることを「分泌(ぶんぴつ)」といい、ホルモンを分泌する細胞を「内分泌細胞」とよんでいます。 (外分泌は汗、唾液、頚管粘液、母乳などです)

ホルモンはもの凄く小さな化学物質です。 一般的には血液の中を流れて、目的とする細胞に到達します。 手紙には個別の命令が書かれています。 ホルモンを受け取る細胞はその細胞表面に「受容体(レセプター)」という手紙を受け取るポストの様なものがあります。 このレセプターにホルモンがくっつき、その細胞の内部に変化を起こし、命令を受けた細胞が働くことになります。

ホルモンの異常を知るためには

ホルモンの量が十分あるのかどうかを知るためには血液検査をして、ホルモンの値を測定すればわかります。 基準値(以前、正常値といわれていたものです)というものがあって、ホルモンの基準値の範囲を超えたものが異常となります。 数値が高すぎても、低すぎても異常となります。 排卵後の黄体ホルモンの測定値が基準より低ければ「卵巣機能不全」と診断される訳ですね。 基準値よりも低ければ、それにあった薬を補充するといった治療にも使われます。

フィードバックの考え方

ホルモンの測定結果を理解するときに大切な、feedbackという調節のしくみがあります。
命令は上司から部下へ一方的ではなく、部下からの意見も反映されるんですね。
卵巣から分泌されるホルモンの量が下がると、
「卵巣からでるホルモンが少ないぞ!もっとLHやFSHを出しなさい!」
とその情報が下垂体に戻されて(feedback)LHやFSHが上昇します。

下流の数値の減少が上流の数値の上昇を引き起こすものをnegative feedbackといい、その逆をpositive feedbackといいます。 排卵前にE2の値が上昇したという情報が下垂体に伝わり、LHサージが起きるのがpositive feedbackの良い例ですね。 また、女性の閉経後はFSHやLHが非常に高値となりますこれは、卵巣の機能が停止(閉経)し、negative feedbackが機能するためですね。

性周期に関連するホルモン

ホルモンによる調整が非常に複雑に行われて排卵や月経や妊娠の維持が行われています。 特に重要なホルモンに関して説明します。

LHやFSH

これらは下垂体から分泌されるホルモンで、視床下部から命令を受け、卵巣に命令を出しています。
・LHやFSH が低値:下垂体機能不全もしくは視床下部の異常
  (前者は大量出血の時、後者は神経性食欲不振症など)
・両者とも高値;卵巣機能不全、両側卵巣切除後、閉経後(早発閉経もふくむ)
・LHだけ高値;PCOSの疑い

卵胞ホルモン

卵胞ホルモンはエストロゲンといいます。
エストロゲンには3種類あり、メインの働きをするのがエストラジオール(E2)です。 子宮内膜をコントロールする以外にも沢山の働きがあります。
頸管粘液の分泌を促進、女性の二次性徴、コレステロールの低下、骨代謝の促進、膣粘膜の角化促進など。
卵胞発育の指標となりますね。

黄体ホルモン

黄体ホルモンはゲスターゲンといいます。 ゲスターゲンもいくつか種類がありますが、メインはプロゲステロン(P4)です。 基礎体温を上昇させる働きがあり、子宮内膜を着床の準備のために厚くする働きがあります。 着床後も妊娠維持のためにしばらく分泌されます。 プロゲステロン10(ng/ml)未満は黄体機能不全と診断されます。 黄体機能低下症や習慣性流産の際にプロゲステロン製剤を処方することがあります。

プロラクチン

詳しくは「不妊症の原因」の→→「高プロラクチン血症」をご覧ください。
薬剤性のものや潜在性高プロラクチン血症というものあるので注意が必要です。

甲状腺ホルモン

甲状腺は体の代謝をコントロールしています。
簡単に言うと機能亢進症は異常なくらいの元気がよくなり、低下症は元気がなくなります。 月経や排卵障害を起こすこともあり不妊症の際にチェックが必要なこともあります。


 

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