プロゲステロン製剤

※お急ぎの方はこのページの内容を1ページに凝縮したプロゲステロン製剤のまとめをご覧ください。

プロゲステロン受容体に結合して作用するステロイドホルモンは黄体ホルモンといいます。
その中で体の中で作られる天然のものをプロゲステロン(progesterone)、人工的に合成されてものをプロゲスチン(progestin)として区別しています。

月経不順や不妊症における黄体機能不全、子宮内膜症などの治療に使用されています。

天然型プロゲステロン

天然型プロゲステロンは内服して腸から吸収されると、肝臓へ達し、代謝されて機能が低下してしまいます。そのため注射薬として使用されてきました。

日本ではまだ未承認の薬剤ですが、天然型で肝臓で代謝されにくいがちゃんと効果をもたらす内服薬が海外では発売されています。

プロゲスチン

合成されたプロゲステロン製剤はアンドロゲン受容体やエストロゲン受容体とも結合するものがあり薬剤によりその作用が違ってきます。 開発の時期から第1世代から第4世代に分類されています。

第1世代;ノルエチステロン(NET)
経口避妊薬に最も多く使用されています。 吸収された後エストロゲンにも変化するので弱いエストロゲン作用があります。 「ルナベル」や「オーソM」などに使用さています。

第2世代;レボノルゲストレル(LNG) ノルゲストレル(NG)
プロゲステロン活性とアンドロゲン活性が強いのが特徴です。 経口避妊薬の「トリキュラー」や緊急避妊薬の「ノルレボ」に含まれています。
「ミレーナ」という子宮内避妊具はLNGを少量長期放出させるタイプのものです。 これは避妊具だけではなく子宮内膜症や子宮腺筋症の治療薬としても使用されます。

第3世代;デソゲストレル(DSG)
アンドロゲン活性を低下させるために作られた薬剤です。 プロゲステロン活性を高く維持したまま第2世代よりもアンドロゲン活性が少なくなっています。 よりニキビなどが出にくいということですね。 経口避妊薬の「マーベロン」などに使用されています。

第4世代;ジエノゲスト(DNG)
プロゲステロン活性のみでアンドロゲン作用が全くない理想的な薬剤です。 「ディナゲスト」として子宮内膜症などによる月経困難症に対して使用されています。 エストロゲンを低下させる作用が少ないため長期投与も可能です。

第4世代;ドロスピレノン(DSPR)
プロゲステロン活性が高く、アンドロゲン作用が全くない薬剤です。 しかもアンドロゲンの作用を抑える働きまであるため海外ではニキビのお薬としても使用されています。 この薬剤を使用している方は明らかにニキビや吹き出物が減ったと言われますね。 また浮腫というむくみの副作用も少ないのも特徴です。 「ヤーズ」という薬剤で主に月経困難症などに使用されます。

その他;
ジドロゲステロン(dydrogesterone)
天然型のプロゲステロンの構造を少し変えた薬剤で「デュファストン」として発売されています。 子宮内膜増殖作用があるので不妊治療で黄体補充療法などに使用されます。 プロゲスチンの中では唯一、体温上昇作用がありません。

酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)
子宮内膜増殖症や子宮体がんの治療に使用されます。 「ヒスロン」や「プロベラ」や「プロゲストン」などの薬剤があります。 子宮内膜増殖症の患者さんには例えばプロベラ2.5mg 1日3回投与を3ヶ月くらい持続的に投与することで内膜を萎縮させることが期待できます。
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プロゲステロン製剤の使用方法

月経不順

月経不順も沢山の原因が考えられますが、エストロゲンの分泌は保たれているがプロゲステロンの分泌が低下している第1度無月経の治療に使用されます。いわゆるホルムストローム(Holmstrom)療法です。妊娠の希望がなければ無排卵でも差し障りはありませんので1〜3ヶ月に1度消退出血を起こします。
内服例;
デュファストン5mg 1日1〜3錠 10日間内服
プロベラ2.5mg、ヒスロン5mg、プロゲストン2.5mg 1日1〜3錠を10日分

黄体機能不全

黄体機能不全は、黄体期に黄体ホルモンが十分に分泌されずに不妊症や不育症の原因となります。
内服例;
デュファストン5mg 1日1〜3錠 排卵確認2日後くらいから12日間内服

子宮内膜症

子宮内膜症は本来子宮内に存在するはずの子宮内膜が子宮外の卵巣や腹膜などに発生し、月経時に強い月経痛を起こす病気です。 排卵、月経の周期により繰り返されるので排卵を抑制し月経量を減少させることで子宮内膜症の症状緩和させることができます。

プロゲスチンの一つであるディナゲストが理想的な薬剤となります。 子宮内膜症によるチョコレートのう腫の手術後、妊娠希望までの再発予防や疼痛コントロールの目的でも使用されます。低用量ピルを使用しても月経困難症を軽減させることができますがディナゲストはエストロゲン作用がないため血栓症の心配がなく長期間使用しやすい薬剤です。

長期投与中に少量の性器出血が持続する副作用があります。 このような出血の予防として、数ヶ月低用量ピルなどで内膜を薄くして、ディナゲストを内服するという方法があります。

ディナゲスト 1mg 1回1錠 1日2回内服 連日投与

子宮内避妊具である「ミレーナ」はプロゲスチンを長期間放出し、しかも子宮内膜のみに局所的に作用するものです。避妊具でありながら子宮内膜を萎縮させるという働きから子宮内膜症の治療などにも使用されます。

子宮体がん

子宮体がんの初期や再発して他の臓器に転移が見つかった場合などはプロゲスチンを使用したホルモン療法も検討されます。 この場合はMPAが使われますが、月経不順などで使用される「ヒスロン5mg」では足りません。 大量のプロゲスチンが含まれる「ヒスロンH200mg」が使用されます。




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