癌検診の現状

癌検診の現状

日本はがん検診の受診率が低い

私がこのサイトを作成した理由の一つが「一人でも多くの方ががん検診を受けてもらいたい」と願いです。 私は産婦人科医なので特に子宮がん検診ですね。 これまでに、がん検診を受けていなくて進行した癌の患者さんを沢山、診察し治療してきました。 やはり早期発見、早期治療が絶対に重要であると常に思ってきました。 特に子宮頚癌は早期発見でほぼ100%に近い治癒率が得られます。

公的検診で子宮がん検診がすすめられる対象年齢が30歳以上から20歳以上に引き下げられました。 これはとても良い傾向です。 対象年齢が引き下げられたのは子宮頚癌の発生が低年齢化しているからなんです。 「30代になってからでは、検診としては遅い」という判断ですね。

欧米では子宮頚癌検診の受診率は非常に高いです。
18歳以上の女性の80〜90%が過去3年以内に1回以上検診を受けているようです。 ほとんどの女性ががん検診を受けているということになりますね。 一方、日本の受診率はだいたい10〜20%くらいです(データの出所により違ってきますが)。
受診率が全然違います!
当然ながら、20代の受診率はさらに低いのが現状です。

あきらかに、啓蒙活動が足りませんね。
このサイトがすこしでも啓蒙になればよいのですが・・・。

住民検診(公的検診)の問題点

子宮がん検診は子宮癌の検出が最大の目的なので子宮頚癌の有無がわかれば目的は達せられます。 しかし、受ける側は「子宮がん検診を受けたので、婦人科の病気は全くない」と思っておられる方は多いものです。 理想的には子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無もチェックされるべきですが、検診の際、内診をしていないところもあるといいます。 内診をしなくては子宮の異常や卵巣の異常はわかりません。

しかし、内診をしても必ずしも十分というわけではありません。
直径5センチくらいの卵巣腫瘍の内診だけでの検出率は60%〜70%くらいといわれ見逃しも多いのが事実です。 さらに、肥満がある場合はお腹の脂肪のために、内診の精度が極端に落ちます。 内診では分かりにくいくらいのサイズでも、小さいうちに発見し治療した方が良い場合の卵巣腫瘍もあります。 (不妊治療前や妊娠前などですね)



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最近の改訂で検診対象が20歳以上になったのは良いのですが、検診頻度の変更は賛成できません。 これまで毎年検診だったのが2年に1度となりました。 正常な状態から子宮頚癌まで進むのは結構時間がかかりますので、欧米にならって隔年となった理由はわかります。 しかし、日本は欧米ほどのがん検診受診率ではないので、効果的に子宮頚癌の早期発見になるのかどうかは疑問です。 卵巣のチェックも考えると私は絶対に毎年の検診をおすすめいたします。

住民検診は自治体が行っているのでやり方は結構違いがあります。 自治体によっては、子宮がん検診の時に超音波検査やHPV検診(子宮頚癌の原因ウイルスと言われている「ヒトパピローマウイルス検診」)も希望すればできるところもあるようです。

このあたりはそれぞれお住まいの自治体にお問い合わせください。
検診方法などは、最近では市役所などのサイトにほとんど記載されていますからね。

がん検診の種類

誤解されている方も多いのですが、住民検診(自治体が住民を対象に実施している公的検診)だけが、がん検診ではありません! がん検診には住民検診や会社が負担してやってくれる職場検診や家族検診などもあります。

そのほかにも、受けたい人がいつでも受けることができる、自費検診というものもあります。 病院やクリニックが実施している人間ドックなどは自費検診になりますね。 総合病院の産婦人科や産婦人科のクリニックを受診して検診することもできます。

☆少し内容がずれますが、自分で膣内に綿棒などを挿入してそれを提出して検診とするものもあります。 簡単で便利ですが、異常細胞の検出率が非常に低いのが現状です。 私たちは、子宮頚部のごく狭い範囲(直径2センチ以内)を綿棒でこすって検査を行っています。 細胞をとるべき場所というものが決まっています。 それを一般の女性が、盲目的に自分で行うのはどうしても無理がありますね。 この方法での検診はおすすめいたしません・・・





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