不妊症総論 2/2

妊娠に必要な条件

不妊症のことを理解するためにはどのような条件で妊娠が成立するのかを知る必要があります。非常に複雑なことがすべてうまく行われて妊娠が成立しています。

「おなかが痛い」という症状の原因はいろいろありますよね。もうちょう(虫垂炎)、胃潰瘍、腸炎、便秘、卵巣出血、子宮外妊娠、そのほか多数。

「不妊症」といった状態も同じで、沢山の原因があります。卵管がつまっている、排卵していない、精子の数が少ない、子宮の中にポリープがある、ほか多数。「不妊症」はひとつの病気ではなく、状態を表現している訳です。

妊娠するために、構造上女性が男性よりも多くの条件がそろう必要があります。行程が多いので、女性側の原因の頻度は高くなるのは仕方足りませんが、体外受精など高度不妊治療が発達した今は実質的な男性と女性の不妊の原因の割合は50:50ともいわれています。

後でお話ししますが、女性の方が圧倒的に検査項目は多いのに対して男性の検査項目は非常に少ないです。にもかかわらず、挙児希望の相談にこられるカップルで男性側がなかなか検査を行わない方がかな〜りいらっしゃいます。挙児希望があり検査を希望する場合は女性だけではなく、男性の検査も同時に行わないと意味がありません。男性の方々、是非泌尿器科で検査を受けて下さい。


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妊娠成立の条件です。

男性側;精子の提供

1十分な量の精子の膣内への射精
2子宮頸管から子宮腔内への精子の進入
3子宮内宮から卵管内での精子の移動と膨大部への到達

女性側;卵子の提供

1卵巣内での卵胞の発育
2排卵と黄体形成
3卵管采による卵子の補足と卵管内での移送

受精から着床まで

1精子の卵子内への進入(受精)
2受精卵の分割(胚の形成)
3胚の子宮内への移送
4子宮内膜の着床のための変化
5胚の子宮内膜への着床

これらの条件が満たされずにどこか一カ所でも異常があると妊娠成立しない、ということになるわけです。これが不妊の原因となります。

十分な量の正常な精子が膣内に射精されない。
精子が子宮内から卵管を移動できない。
卵胞が発育しない。
排卵しない。
黄体が形成されない。
卵子が卵管に取り込まれない(pick upがうまくいかない)
卵子と精子がうまく受精できない。
胚が正常に分割できない。
受精卵が卵管を移送されない。
着床がうまくいかない。

大まかには、排卵因子:卵管因子:男性因子がそれぞれ同じくらいの頻度です。様々な検査を行っても、不妊原因が特定できないものを原因不明不妊もしくは機能性不妊と呼んでます。これは黄体化未破裂卵胞や卵管采の卵子の補足能力の低下などが含まれているようです。


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