不妊症治療総論 3/3

一般不妊症治療

一般不妊症治療は原因に対する治療受精の確率を上げる治療に分けられます。
不妊症の原因が判明した場合はそれに対する治療がまず優先されます。

原因に対する治療

不妊症の原因として明らかなものがあればそれに対して治療が行われます。
・排卵障害に対して排卵誘発剤投与
・黄体機能不全に対して黄体ホルモンの補充や排卵誘発剤の投与
・卵管因子の改善のために腹腔鏡下手術や子宮卵管造影など
・子宮筋腫に対する筋腫核出術
・粘膜下ポリープに対する子宮鏡下手術
・子宮内膜症に対する治療
・感染症に対する治療
・子宮奇形に対する手術療法

また、子宮奇形や子宮筋腫などは必ずしも治療を行うとは限りません。
これらの存在下でも妊娠する場合は十分にありますから、不妊の原因となっているかどうかは状況によります。 しかしながら、明らかな原因と考えられる場合は、迅速な対応が必要となります。

受精の確率を上げる治療

自然排卵か排卵誘発剤を使用するのか、自然性交か人工授精か4つに分けられます。

一般不妊治療は前述しましたが、精子と卵子の偶然の出逢いの確率を上げるのが目的です。卵子も精子も寿命が1週間ずつあればもっと簡単に妊娠が成立すると思いますが・・・(精子の寿命は2〜3日くらいと短いものです)そのため、出逢いの確率を上げるために、排卵の時期の正確な予想と精子の量の維持が大切になります。

排卵の時期の正確な予想のために、基礎体温を利用したり、排卵誘発剤を使用したり、超音波検査を行ったりします。また、精子量の維持のために禁欲期間を指導したり、必要に応じて人工授精を行ったりもします。さらに、受精後の着床環境を整える意味で黄体ホルモンを補充したり、卵巣を賦活させる薬剤を使用したりもします。

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→排卵誘発法(controlled ovarian hyperstimulation:COH)を使用する

飲み薬のもの(クロミッド療法など)と注射のもの(hMG-hCG療法)があります。
これらは卵巣を間接的もしくや直接的に刺激して排卵を促進させるもので、無排卵の場合が良い適応となります。しかし、排卵が正常な場合でもCOHを行うこともあります。COHで正確な排卵の時期をつかむために、また後の黄体機能不全の改善目的などの時ですね。排卵があるのにCOHを行うのはちゃんと意味があるんですね。

→人工授精(intrauterine insemination:IUI)を行う

マスターベーションなどで採取した精子を人工的に子宮の中に注入する行為です。
精液検査で以上が出た場合や、頚管因子による不妊、(フーナーテスト不良例や抗精子抗体陽性例など)、勃起不全とはじめとする性交障害などが適応となります。諸検査で異常が無くても自然性交のタイミング法を一定の期間続けても妊娠が成立しない場合はAIHへステップアップすることもあります。

IUIは一般的にはAIHといわれています。
配偶者間人工授精=AIH:Artificial Insemination with Husband's semen、これは夫の精子を人工的に子宮内に注入することですね。
欧米などでは行われていますが、非配偶者間人工授精=AID:Artificial Insemination with Donor's semenといって、夫以外の精子を人工的に子宮内に注入することもあります。

AIHも長くやればやるほど妊娠率が上がるわけではありません。
もちろん10回目で妊娠成立ということもありますが、統計的には6ヶ月くらいまでで頭打ちがくるようです。AIHも6ヶ月〜1年くらい行っても妊娠に恵まれない場合は、十分な相談を行い、さらに上の段階であるARTに進むことがあります。





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