不妊症の超音波検査

超音波検査は音波の反射を利用して、直接見ることの出来ない人体の内部構造を画像化して形態的、機能的なことを調べるものです。私たちの日常診療においては、産科、婦人科、不妊症などすべての分野で必要不可欠な検査機器です。
産婦人科医の聴診器と言っても過言ではありません。

不妊症の検査では何を見ているの?

・子宮の大きさや向きはどのようになっているのか?(子宮腺筋症などは?)
・子宮頚部や体部に腫瘍性の病変はないのか?(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)
・子宮内膜の状態はどうか?(周期的な厚みの変化は見られる?)
・子宮の奇形はないか?(弓状子宮や双角子宮など)
・卵巣は正常の大きさ、形をしているのか?(PCOSはない?異常に小さくない?)
・卵巣嚢腫などはないか?(腫瘍性のものか、非腫瘍性か)
・卵巣の癒着が推定できるか?(子宮の後ろに卵巣の癒着が推定できるか?)
・腹水などの液体の貯留がないか?(一般的な腹水?膿?血液?)
・卵管のあきらかな腫れ(腫大)はないか?(卵管に水がたまってないか(卵管水腫)?)

不妊症かどうかにかかわらず、まず腫瘍性の病気があれば早期治療が必要かどうかを検討します。子宮筋腫があっても、不妊症の直接の原因となっていないような位置や大きさの場合は注意して経過観察することもよくあります。しかし、卵巣腫瘍や子宮筋腫はある程度の大きさになると手術の適応となってきます。早期に発見し、早期に手術をすることで卵巣機能を充分に温存させたり、筋腫核出術後の子宮の変形を最小限にすることも充分可能となります。

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腫瘍性病変があれば、詳しい精密検査が必要となります。
CTやMRIといった画像診断、腫瘍マーカーなどの血液検査などをおこない、良性か悪性かの予想をつけます。子宮筋腫と予想されたらほとんどが良性のものですが、卵巣腫瘍の場合は若い女性でも悪性の”卵巣癌”が時々見られ、卵巣のみならず子宮も含めた大きな手術が必要となる場合もあります。

子宮奇形も早期に発見する必要のある状態です。子宮奇形があるとかならず不妊症になるというわけではありませんが、流産率が高いというデータがあります。子宮奇形は沢山の種類がありますが、超音波検査でだいたいの見当がつきます。MRIや子宮卵管造影検査が補助診断となることが多いですね。著明な子宮奇形はまず手術療法からはじまることもあるので早期の診断が重要なんです。

検査以外の使い方

不妊症においては原因検査だけではなく、以下のように治療にも頻繁に使用されます。
・卵胞の発育をみて、排卵の時期を予想する(タイミング法など)
・子宮内膜の変化や黄体機能のチェックを行う。
・体外受精のための採卵を行う。





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