腹腔鏡検査(ラパロ)

胃カメラというのがありますね。
小型のカメラを胃の中まで入れて胃の内部の状態を直接観察する検査です。 見るだけではなく、ポリープをとってきたりすることができます。
あの検査の産婦人科版として腹腔鏡検査子宮鏡検査があります。

腹腔鏡検査は子宮卵管造影で卵管の癒着や子宮内膜ポリープなどが疑われたときや一定期間不妊治療を続けてもなかなか妊娠に恵まれない時など検査が行われます。 検査とはいっても同時に治療行為も可能です。専門の検査機器が必要で、不妊専門の産婦人科や大きな総合病院で行われます。 不妊症で腹腔鏡を行った患者さんの50〜60%くらいに何らかの異常が発見されるといわれています。

欧米では腹腔鏡検査は二次検査ではなく、スクリーニング検査として一般的に行われています。 一般不妊症検査を行っても原因がわからないいわゆる”機能性不妊症”の方の中には子宮卵管造影や超音波検査で発見されないような卵管采の軽度の癒着が原因となっている方が含まれます。 このように原因がわかれば、”原因不明”として漫然と治療が行われずにすむという考え方ですね。 日本でも同じような考え方で早期に検査を行うところもあるようです。

不妊症検査だけに使用されるものではありません。
卵巣腫瘍の摘出、子宮外妊娠の診断と治療、子宮筋腫核出術など腫瘍に対する治療にも使います。



スポンサーリンク

検査とは言っても全身麻酔を使用する手術の一種です。 一般的には臍から下に親指くらいの大きさの切開を3カ所(カメラ用の穴、操作用の穴)作ります。 挿入するカメラはとても小さくて、小指くらいの太さで、金属の筒の先端に小型カメラが設置されています(目の代わりですね)。 操作用の穴からは小型のピンセット、ハサミ、電気メスなどを挿入し手術を行います(手の代わりですね)。

おなかの中は腸が詰まっていて、空気が入っていないので狭いんです。 二酸化炭素のガスで膨らませたり(気腹式)、テントのようにおなかの皮をつり上げたり(つり上げ式)して有効な空間をつくり、内部を観察します。

カメラから得られた内部の映像はモニターを通して観察できます。 もちろんビデオテープ(最近ではDVD)などの記憶媒体に保存することができるので、術後に患者さんの説明にも使用されます。 子宮の表面の様子、両側付属器(卵巣と卵管)の癒着の有無、子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無などを直に観察することができます。 癒着の有無と腫瘍性病変の有無が最も重要なチェック項目です。子宮内膜症やクラミジアなどの感染で卵管采は周囲と癒着することがあります。 超音波などでチョコレート嚢胞が診断されていると、子宮内膜症の重症度がある程度推定できます。 しかし、軽症の子宮内膜症は腹腔鏡の検査で初めて発見されます。

腹腔鏡のさらに良いところは観察の後、治療ができることと卵管の疎通性を確認することができることです。 卵管周囲の癒着を鉗子やピンセットを使用してはがしたり(癒着剥離)、チョコレート嚢胞を摘出したり、内膜症病変を電気メスで焼いたりします。子宮内に色素を注入すると両側の卵管からしみ出してくるのがリアルタイムで観察でき、卵管内腔の閉塞などの確認ができます。

観察がメインの腹腔鏡検査であればリスクは非常に低いのですが、おなかをがばっと開く手術ではないので、腹腔鏡の操作に熟練度が必要です。 合併症としては麻酔に伴う合併症、腸や血管の損傷、感染、気腹による肩などの痛みなどがあります。





スポンサーリンク