生理痛|3/3

生理痛(月経困難症)3/3

月経困難症の治療

4.経口避妊薬(低用量ピル)

重症の月経困難症の方に特におすすめなのがピルを内服する方法です。 ピルは排卵を抑制するだけではなく、子宮内膜の増殖も抑制します。 結果的に産生されるプロスタグランジンが減少し、痛みを抑制することになります。 原発性月経困難症に対してかなりの治療効果が期待できます。

月経困難症治療薬「ヤーズ」について

これまで、月経困難症の改善のために避妊用ピルが使用されていました。排卵が抑制されて、子宮内膜が薄くなり、結果的に月経量が減少し月経痛が軽減することが期待できます。

ただ、避妊用ピルは保険が効かない自費医療で、患者さんの負担も大きいものでした。 最近、保険が使える月経困難症治療薬として「ヤーズ」というお薬が日本でも認可、発売されるようになりました。 ヤーズは卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)と黄体ホルモン(ドロスピレノン)という2種類の薬剤が含まれる錠剤です。いわゆる低用量ピルの一種です。

ヤーズに含まれている卵胞ホルモンは現在発売されている低用量ピルよりもさらに少ない量(0.02mg)と国内で最も少ない量です。そのため吐き気などの副作用が出にくくなっています。ただし、エストロゲンの量が極めて少ないので飲み忘れがあると排卵をするリスクが高くなります。 ヤーズに含まれている黄体ホルモンは男性ホルモンの作用がほとんどなく、また軽い利尿作用もあるのでニキビの軽減の効果やむくみの改善なども期待できます。

製剤は一般的な28日型の低用量ピルと同じような7日分×4週間(合計28錠)が1シートに納められています。

ヤーズ写真
ヤーズ写真2
初めて飲むときは月経第一日目から開始します。4週目に軽減された月経が初来します。

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低用量ピルの最も怖い副作用として血栓症があります。喫煙により静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中などの副作用の危険性がさらに高まります。35歳以上で一日15本以上喫煙している方はそのリスクが特に高くなるので禁煙が必要となります(この条件に当てはまらない喫煙者も当然禁煙が勧められます)。

血栓症の症状である頭痛、胸部痛、呼吸困難、下肢痛などがあれば薬剤を処方してもらった病院や救急病院へすぐに連絡をするようにしてください。もし足の痛みなどで整形外科や内科など産婦人科以外を受診したときは必ず「ホルモン剤を内服している」ということは伝えるようにしてくださいね。

エストロゲンの量が低いので、内服中に不正性器出血の副作用は比較的良く見かけます。普通は飲み続けているとだんだんと出血は減ってきますが、出血が長期にわたる場合や量が多い場合は主治医にご相談を。卵胞ホルモンの影響を受ける乳がんや子宮体がんなどがある場合は服用を避けるべきです。子宮がん検診や乳がん検診も重要ですね。

5.漢方薬

即効性は鎮痛薬には劣りますが、当帰芍薬散などの漢方薬が効く場合もあります。

6.腹腔鏡下仙骨子宮靭帯切断術

一般的には上記のような薬剤を使用することでほとんどの方が症状が軽減します。 しかしながらそれでもどうしても改善しない重症月経困難症も存在します。 そのような場合は必要に応じて原因精査と治療目的で腹腔鏡検査をおこなうことがあります。

子宮の後面に仙骨子宮靭帯という靱帯が二本あり、子宮を固定しています。 この靱帯の中には子宮の知覚神経が走っています。 仙骨子宮靭帯切断術は子宮の痛みを伝える神経を切断しようという治療法です。 手術により劇的に改善する場合もありますが、ほとんど効果がない場合もあります。 手術という侵襲が加わる治療法なので、いろいろ試しても効果がない場合の最終手段といえますね。

最後に

「毎月生理痛がつらくて・・・」という場合は、
・鎮痛薬としての坐薬の使用
・症状が出現する前の鎮痛薬の服用
・ピルの積極的な使用
などを検討してみてください。





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