良性卵巣腫瘍|2/3

良性卵巣腫瘍 2/3

一般的な卵巣腫瘍について

卵巣腫瘍はものすごい種類があります。
卵巣は人間の体の中でもっも多彩な腫瘍を作り出す臓器なんです。
卵巣の腫瘍は「良性」「悪性」「境界型」に大きく分けられ、良性腫瘍だけでもゆうに10種類を越えています。 悪性に関しては卵巣癌の項目をご覧ください。

ただ、すべての腫瘍が同じような頻度で発生しているわけではありません。
とってもポピュラーなものから、滅多に無いような珍しいものまであります。
良性卵巣腫瘍で多いものは

「漿液性嚢胞腺腫」(さらさらとした液体がたまります)
「粘液性嚢胞腺腫」(とろっとした液体がたまります)
「奇形腫」(髪の毛、脂肪、歯や骨を含んだもの)

その中でも若い女性の卵巣腫瘍の中ではもっとも多く、「奇形腫」について解説します。



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奇形腫って?

一般的な「奇形腫」は正式名称を「卵巣成熟嚢胞性奇形腫」(別名;皮様嚢腫=dermoid cyst)といいます。
産婦人科医は「デルモイド」と呼びます。

奇形種はどんな腫瘍なの?

大きさは数センチくらいのもの多いのですが、発見が遅れると10センチを超えることもあります。 これが存在していても癒着やねじれがなければ痛くも痒くもなく無症状です。 たまたま他のことでおなかのCTをとったり、妊娠して初めて超音波検査で見つかったり、子宮がん検診で見つかったりと偶然発見されることがとても多いです。(なにしろ症状がありませんからね・・・) 片方だけではなく両方の卵巣に発生することもかなり多いです。

奇形腫を取り出してメスで切ってみると中から黄色い脂肪、髪の毛、骨や歯、時には皮膚の一部がどろどろと出てきます。 初めて見ると髪の毛などが入ってますのでとてもインパクトがあります。 一般的に中に入っている髪の毛は数本ではなく大量で、hair ballといって、お風呂の排水溝に詰まった髪の毛の塊のようになって出てくることも多いです。

ブラックジャックという手塚治虫の漫画のなかにピノコという女の子が出てきますが、この奇形腫がモデルになっています。 もちろん、実際に出てきた腫瘍で女の子を作ることはできませんよ。アッチョンブリケ(>_<)。

なぜ髪の毛や歯ができるの?

奇形腫は卵巣腫瘍の中では「胚細胞性腫瘍」に分類されています。
胚細胞は卵子や精子のことです。 奇形腫はこの胚細胞の元になる細胞(原始生殖細胞)が腫瘍となり増殖したものです。 卵子は精子と受精して1人の人間を作り出します。 卵子や精子という細胞は人間の体を構成するすべての細胞の大元になるわけです。 この卵子や精子の元になる細胞が暴走して腫瘍化したので、皮膚の成分(髪の毛や脂肪組織)や骨や歯の成分などを作り出してしまうという訳です。

奇形種の診断はどうするの?

骨や脂肪などの成分が含まれているので、CTや超音波検査で手術前に診断はほとんどついてしまいます。(100%ではないですが・・・。)

奇形種の治療はどうするの?

治療は手術で摘出する以外にありません。
小さなものでもいずれは大きくなってきますので、診断がつけば手術となります。 良性の卵巣腫瘍全般に言えることですが、小さいうちに手術をすると正常の卵巣を残しながら、腫瘍のところだけ摘出することができ卵巣の機能を保つことができます。

しかし、10センチを超えてくると正常部分を残すことが難しくなります。 もし大きくて片方の卵巣を全部摘出して、もう片方の卵巣だけになった場合でも卵管の異常などがなければ通常の妊娠をすることは充分に可能です。





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