良性卵巣腫瘍|1/3

良性卵巣腫瘍 1/3

卵巣の腫れとは・・・

ここでは卵巣にできる腫瘍性病変(できもの)について説明します。
似たような漢字がたくさん出てきますので注意してじっくり読んでくださいね。

産婦人科の診察の後に「卵巣が腫れてますね」告げられたとき、考えられる状態は以下のように沢山あります。

1.ホルモンの影響で大きくなる場合
2.感染して膿がたまった状態(膿腫)や血液がたまった状態(血腫)
3.子宮内膜症のときのチョコレート嚢胞
4.腫瘍性病変(良性の卵巣腫瘍や卵巣癌など)
5.卵巣以外の病気(卵巣の病気と間違って診断されることあるのでここに含めました)

「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」という言葉が一般的ですが、これは「内部に液体を含んだ袋状(嚢胞性)のものができて卵巣全体が大きくなっている」状態を表しています。 卵巣はこの液体が中に入った袋状のもの(水風船のようなイメージ)を作りやすい性質があります。 上の1〜4までのものを「卵巣嚢腫」と一般的には呼ばれています。
厳密には4の腫瘍性病変のところには「嚢胞性」のものだけではなく、堅い中身の詰まったもの(充実性)もありすべて「卵巣嚢腫」と呼べないところでもあります。

卵巣にできる新生物を「卵巣腫瘍」といいます。
上の1〜3など「腫瘍ではない袋状のもの」を「卵巣嚢胞(のうほう)=ovarian cyst」と呼んで区別されます。
卵巣嚢腫の中に卵巣腫瘍の場合と、卵巣嚢胞の場合があることになりますね。

これらの呼び方が混在して「チョコレート嚢腫」となったり「チョコレート嚢胞」となったりします。
正確にはチョコレート嚢胞(のうほう)となります。



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卵巣は症状が出にくい?

一般的な卵巣腫瘍は痛みがないためものすごく大きくなるまで気付かれないことも多いです。
チョコレート嚢胞や卵巣膿腫(膿がたまる)のように癒着や炎症がおきると、また卵巣癌が周囲の臓器を破壊しはじめたときなどは痛みを伴います。 卵巣癌の場合はよほど進行しないと痛みが出てこないので発見さえたときはすでにあちこちに転移していることも・・・。

卵巣嚢腫すべてが手術などの治療の対象になるわけではありません。
自然消失が予想されれば、定期的に大きさなどをチェックして経過を観察します。 一方、腫瘍性の病変は自然となくならないので、手術などの治療が必要となります。

検査としては内診、経膣超音波検査、必要に応じて腫瘍マーカー検査、CT、MRIなどを追加します。

卵巣嚢腫茎捻転

卵巣腫瘍は存在するだけでは痛くないと書きましたが、ものすごく痛くなるときがあります。
茎捻転といって卵巣腫瘍がつながっている血管のあたりで捻れて(スポーツや性交渉の後)、おなかの中で卵巣嚢腫がうっ血して、どす黒くなってくるとものすごい痛みが発生します。

これが発生すると、自分では救急車を呼ぶことができなくなるくらいの痛みのようです。 緊急で手術をして捻れた卵巣ごと全部摘出する必要があります。 完全にねじれた卵巣を残すことはほとんど不可能です。
産婦人科の緊急疾患の一つです。

直径5〜6センチくらいがもっとも捻れやすく危険なサイズです。 もしそのような卵巣腫瘍をおもちの方は飛び跳ねるタイプのスポーツや激しい性交渉は厳禁です。





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