月経の移動

月経の移動

温泉旅行や海外旅行、結婚式、部活の試合、受験など、月経が重なると困るイベントが控えているときに、月経を移動させて乗り切る方法があります。
ここではその原理や方法について解説します。

月経移動の原理

月経が発来する前、黄体期は受精卵の着床のために子宮内膜が肥厚しています。 これは卵巣の黄体から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンにより子宮内膜の肥厚が維持されています。 受精卵が着床しないとHCGが分泌されないので黄体が刺激されません。

黄体は寿命が2週間くらいなので、刺激がないと(妊娠しないと)エストロゲンやプロゲステロンの分泌が減少し、血中から消失してゆきます。 これらのホルモンの作用が無くなり、子宮内膜が維持できなくなり出血が始まります。
これが月経でしたね。

ホルモンが消失することで出血するので消退出血ともいいます。 エストロゲンとプロゲステロンが両方含まれた合剤(いわゆる中用量や低用量ピル)を一定期間内服することで人工的に月経(消退出血)を起こすことができます。

ホルモン薬を内服する期間をコントロールすることで、好きなときに月経を起こすことができるようになるわけです。

月経移動の方法

月経移動の方法は2種類あります。
月経を予定しているイベントの前に月経を終わらせてしまう「月経周期短縮法」とイベントが終わるまで月経を起こさせない「月経周期延長法」です。

月経移動は前者の月経周期を短縮する方法がお勧めです。 短縮法がお勧めの理由は、部活の試合や温泉旅行中などに薬剤を内服するという煩わしさや飲み忘れなどが回避されます。 ホルモン合剤の共通する副作用に、血栓症がありますが、月経移動などの短期間のホルモン投与でも血栓症は起こりえます。とくに海外旅行時にロングフライとなどで発生するエコノミークラス症候群の発症を少しでも減らす意味でも短縮法が良いでしょうね。


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月経周期を短縮する方法

月経期から卵胞期に内服を開始する場合

(生理開始3日目から10日目くらいまで)
この場合は時間的余裕があるので
低用量ピル 1日1錠 10-14日間内服
(嘔気などのマイナートラブルが少ない)

排卵期前後から内服を開始する場合

月経まで時間的余裕がないので
中用量ピル 1日1錠 5-10日間内服

内服終了から2〜3日で消退出血(月経)があります。

内服開始時期が黄体期に入って月経まで時間がないときは月経周期を遅らせる方がよいでしょうね。

月経周期を延長する方法

排卵前に内服開始できる場合

低用量ピル 1日1錠 
延長を希望する日まで毎日内服

排卵後(黄体期)から内服する場合

中用量ピル 1日1錠 
延長を希望する日まで毎日内服

短縮法と同じで内服終了から2〜3日すると消退出血がおきます。 その後は、これを新しい月経として月経周期が始まります。

黄体期も後期になると、予定された月経を止めることができなくなり、内服途中で月経が来てしまうこともありますので注意が必要です。そのためにも遅くとも予定月経の5日以上前までには産婦人科に受診して内服を開始してくださいね。

産婦人科のクリニックなどで「月経を移動させたい」というと、飲み方の説明があり、処方してくれます。 ただし、病気ではないので保険はききませんので自費診療です。 値段は病院によって違うので確認してくださいね。





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