体外受精はどんなときにするのか

体外受精はどんなときにするのか

IVF-ETはいつでも誰でも受けることができるものではありません。
基本的にはIVF-ET以外では妊娠成立が不可能と考えられる方に使用される技術です。女性に与える侵襲や費用の問題から安易にIVF-ETを行うべきではないとされていますが、IVF-ETの技術の進歩により妊娠率も上昇してきて比較的選択しやすい状況になったため、急速にIVF-ETの数が増えてきているのが現状です。また昨今の晩婚化もあり治療を急ぐ社会的状況になってきているのも実情ですね。

不妊治療の開始時に一般不妊症検査が行われると思いますが、精液検査も含めて系統だった検査を終了させておくということがここでも大切になってきます。以下に書いているようにIVF-ETでないと妊娠しない絶対的適応というものがありますので、これを見逃していると貴重な時間や労力の損失が生じてしまいます。IVF-ETの適応はつぎの場合です。

卵管に原因がある場合

クラミジアなどの細菌感染や子宮内膜症による癒着で両方の卵管が完全に閉塞している場合や子宮外妊娠で両側切除した場合、また閉塞はなくても卵管周囲の癒着によるピックアップ障害などが適応となりえます。
つまり一般不妊症治療では精子と卵子が物理的に出会う可能性が全くないか、低い場合ですね。腹腔鏡下手術により診断が確定したり、手術による癒着剥離などの治療を行っても改善が認められない場合などはよい適応となります。軽度の卵管周囲癒着は手術の効果も期待でき、改善すれば全くの自然妊娠も可能となりますので、IVF-ETに移行する前に腹腔鏡下手術をチャレンジする価値は高いと考えられます。
卵管の完全閉塞や両側卵管切除術後は絶対的適応となりますね。

精子の数が少ない、元気がないなど精子に原因がある場合

精子の数が平均よりも少ない、運動率が少し悪いといった場合にはAIHなどの人工授精が良い治療となりますが、精液検査で重症の乏精子症や精子無力症の場合は絶対的な適応となります。重症の男性不妊の場合はICSIの適応にもなりますね。



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抗精子抗体などの免疫学的な原因がある場合

精子に対する抗体を抗精子抗体といいます。
無害な抗精子抗体もありますが、精子の動きを止めてしまったり、受精の妨げたりする抗体も存在します。この場合はフーナーテストで結果不良となることが多いです。抗精子抗体が非常に多い場合はIVF-ETの絶対的な適応になります。

原因がはっきりしないが一般不妊治療で妊娠に至らない場合

不妊症検査ではっきりとした原因がなく、一般不妊症治療で妊娠に至らない場合もIVF-ETの適応となります。「はっきりとした原因がなく」というのは正確ではありませんね。不妊症という結果に対する原因は何か存在するはずですが、「その原因をはっきりさせる検査がないか、もしくは現時点での医学的な検査では検出できない」と考えた方が正しいかと思います。一般不妊症検査ではわからなかった原因がIVF-ETという治療で初めてわかる場合もあります(例えば受精の段階での原因など)。原因がはっきりしない不妊症を機能性不妊ともいいますが、現在、IVF-ETの適応でもっとも多いものだと思います。

不妊治療を急ぐ必要がある場合

普通はある一定の手順を経てIVF-ETへ移行することが多いのですが、場合によっては一気にIVF-ETへ移行することも必要です。
もっとも多いのは高齢の場合です。
40歳を越えると急速に妊娠率が低下し、また妊娠したとしても流産率が上昇してきます。 一般的には50歳くらいで閉経を迎えますが、30歳代あたりで排卵が不規則となり閉経を迎える場合を早発閉経といいます。完全に閉経してしまうと手が出せないのでこの場合も妊娠を急ぐ必要があります。





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