子宮頚部の構造

子宮頚部の構造

子宮は鶏の卵くらいの大きさで、形は「洋なし」を逆さにしたような感じです。
洋なしを逆さにして、細い方を膣という「管」に少しめり込ませたような感じで存在しています。 洋なしの細い部分を「子宮頚部」といい、太い方を「子宮体部」といいます。

子宮頚部はその大きさが直径約2センチほどで中心に子宮体部に通じる穴が開いています。 胎児を育てるという子宮としての本来の役目は子宮体部で行われますが、子宮頚部はその胎児を10ヶ月間保持しておくという非常に大切な役目を担っています。

子宮頚部は膣の入り口の方から観察すると、膣のもっとも奥に少し突出した状態にあります。 子宮頚部を覆っている表面の細胞(上皮といいます)はその多くは「扁平上皮」という種類です。 これは皮膚や口に中を覆っている上皮と同じです。

外陰部の皮膚の表面と膣の中の表面は同じ扁平上皮でも感じが違いますよね。 皮膚は硬く、乾燥して、こすっても痛くないですが、膣の中は軟らかく薄い印象です。 その違いは扁平上皮が角化しているかどうかの違いです。 皮膚は角化して硬くなっていますが、膣の中の粘膜は角化していないので軟らかいのです。 いずれにせよ沢山の平たい細胞が沢山積み重なってできた、上皮であることに違いはありません。

一方、子宮の内腔の表面を覆うのは「腺上皮」と呼ばれ、扁平上皮とは全く違う構造をしています。 腺上皮である、子宮内膜は受精卵を受け入れるために肥厚し、妊娠成立しなければ剥離して月経として捨てられます。

子宮頚部と子宮体部はつながっていますので、それぞれの種類の違う上皮がどこかで移行している所があるはずですね。 つまり、扁平上皮から腺上皮に移行する部分が子宮頚部にありその部分を「SC-junction」といいます。 少し難しいところになりますが、子宮頚部にも「頚管腺」という腺構造が存在します。 そのため、子宮体部から子宮頚部に移行しても、しばらくは腺上皮が覆っています。 正確には、SC-junctionは子宮頚部と子宮体部の境界にあるのではなく、子宮頚部の表面に存在しています。

このあたりを文字だけで表現するのは限界があるのですが、SC-junctioのイメージを書いてみます。 きゅうりのどちらか一方の先端をほんの少し包丁でカットして、その輪切りの断面を正面から見てください。 これが子宮頚部のイメージです。 きゅうりの濃い緑の皮(扁平上皮)と薄い緑の実の部分(腺上皮)が移行するところが、切断端として「円」になっていると思います。 この円の部分がSC-junctionです。

SC-junctionについて説明したのは訳があります。
この部分にHPVが感染し、感染された細胞は増殖し、この部分から癌が発生するからです。 がん検診においてもこの部分からまんべんなく細胞を採取しないと正確な診断ができない、などとても重要な場所なんです。





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