胚盤胞移植|1/2

胚盤胞移植1/2

ここでは、体外受精における胚移植の1つの方法で、IVF-ETにおける技術進歩の中で顕微受精の発見に匹敵ほど重要だと言われている胚盤胞移植について解説します。

胚盤胞とは?

受精後、単一の細胞であったものが細胞分裂を繰り返して2→4→8→ 桑実胚(多数の細胞が一塊に集まり、桑の実の様な形をしたもの)を経て5日目(day5)〜6日目(day6)ころに、 胚盤胞(blastocyst;ブラストシスト)という細胞の集まりになります。
胚盤胞は単なる細胞の集まりではなく、細胞の集まり方に秩序がでてきます。周囲を取り囲む細胞とその内側に集まる細胞とではその後の発生の過程(分化)で違いが出てきます。2〜8細胞の胚に比べると胚盤胞はより発育した胚ということになります。

胚盤胞移植の背景

一般的な胚移植はday2〜day3に2〜8細胞の胚を移植していますが、この場合は高い着床率ではないため、移植する数を増やして妊娠率を上げてきました。しかしそうすると多胎妊娠の頻度も上昇してきます。
双胎ではまだ低いですが、三つ子になる母体、胎児両者にとって、非常にハイリスクの状態になってしまいます。

自然妊娠の時、受精後1週間くらいで着床が起こります。
2〜8細胞胚の時はまだ卵管内にあり、この時期子宮内に胚移植を行うことは、本来であれば生理的なことではありません。もう少し時間をおいて移植する方がより生理的ではないかと考えられていました。
しかし、以前は培養液が良いものがまだ存在していなくて(胚の発育にどのような要素が必要なのかわかっておらず)、胚盤胞まで体外培養ができない状況でした。

その後の研究でday3までの初期胚から8細胞胚までの時期と8細胞胚から桑実胚や胚盤胞の時期とでは胚を育てるための培養液の組成を変える必要があることがわかってきました。早期ではグルコースはあまり必要がありませんが、胚の分割が進むにつれてグルコースが必要となります。(もちろんそのほかにも必要なものはありますが・・・)この進歩で一気に培養の技術がすすみ体外で胚盤胞まで培養することが可能となったわけです。
移植あたりの妊娠率も大幅にupしました。

数日培養期間を延ばすために多数の研究と時間が費やされ、技術的には大きな進歩ですが、移植の方法はこれまでと変わりはありません。
患者さん側は移植される時期が数日ずれるだけです。





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