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孵化補助法(AHA)
さて、不妊症の内容もそろそろ終わりが近づいてきました。
今回はちょっと難しい用語ですが、孵化補助法について解説します。
透明帯とは?
今回の話題の基礎知識として透明帯のことを知っておく必要があります。
卵子や胚は透明帯と呼ばれる膜状のもので球状に覆われています。精子が透明帯を貫通して受精が成立し、胚の分割が始まりますが、初期胚は分割した後それぞれの結合が弱く、バラバラになりやすいものです。しかし、透明帯が存在するために一つ一つの細胞はバラバラにならずにまとまっていられます。透明帯は胚の保護をしているわけですね。
また受精直後にこの透明帯の性質がかわり硬くなります。
そうすることで多数の精子が一度に受精する多精子受精を防止しています。
孵化補助法とは?
胚盤胞に達し、卵管から子宮内に移行した胚はこの透明帯からでてきて子宮内膜に着床します。
透明帯から胚がでてくることを孵化といいます。にわとりの卵からひよこがでてくるように・・・。
IVF-ETやICSIなどの体外で培養した場合、胚の周囲に存在する透明帯という膜が厚くなったり、硬くなったりして胚がそこからでられないことが(孵化できないことが)着床率低下の原因のひとつではないかといわれています。
人工的にこの透明帯を切開したり、穴をあけたり、薄くしたりして孵化を補助することで妊娠率の向上を目指す方法があります。この方法を孵化補助法(assisted hatching;AHA)といいます。
どんな場合におこなわれるのか?
初回のIVF-ETのときにAHAを行っても妊娠率に差はでないといわれていますが、反復着床不成功の患者さんに使用することで妊娠率の向上が期待できるともいわれています。
良好胚を移植したにもかかわらず着床に至らなかった場合、凍結融解胚移植を行う場合、大量のhMG製剤を使用してIVF-ETを行う場合などに行われています。
また、高齢者(特に40歳を越える場合など)は透明帯が硬化しているともいわれており、年齢的な要素からAHAが行われることもあるようです。
その方法は?
沢山の方法が存在しており、技術的にどの方法がもっとも効果があるのかまだわかっていませんので、施設によりその方法は違ってきます。具体的には、透明帯を切開し穴をあける方法、酸を使用して透明帯を薄くする方法、レーザー光線を使って穴をあける方法などがあります。
AHAは一般的には8細胞胚くらいの時期に行われます。細胞同士の結合も強くなり透明帯がなくなっても胚としての形態を維持できるためですね。
デメリットは?
AHAを行うことで一卵性双胎が増加するという報告があります。
AHAは新しい技術で、まだその効果や副作用がはっきりと証明されていません。
今後の検討が必要な分野でもあり、十分に説明を受け、主治医とじっくりと相談してから行われるべきですね。


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